助成金の不正受給はダメ

最近広島で、キャリアアップ助成金を受給した事業所に立ち入り調査が入り始めたそうです。助成金の不正受給は絶対してはいけません。もし助成金代行会社からこんな話を持ちかけられたら完全に不正です。社労士の皆さんも、仮にこのやり方でいけている、などと言われても乗っからないように。

不正受給の例

はじめから正社員だったのに契約社員だったと偽り、正社員転換したことにする。

生産性要件不該当の場合、有期契約社員からの正社員化で57万円、無期契約社員からの正社員化で28.5万円を得られます。それを受給するため、事業主が社員を契約社員であったと偽り、正社員化を実施したことにして不正受給を試みるケースがあります。

ちなみに、雇用保険に加入する際に、契約が「有期」か「無期」をチェックする欄があり、無期で加入していたのに有期契約社員であったと偽ると、雇用保険の登録情報からも不正がバレることがありますよ。

正社員化前に学生だったのに学生ではなかったと偽る。

正社員化の助成金は、正社員への転換前に6か月間勤務していた従業員が対象となります。平成30年4月より、正社員化前の雇用期間に昼間の学生であった期間がある場合は、その期間は除外してカウントするように、という条件が追加されました。

平成30年3月までは、学生アルバイトが卒業後その会社でそのまま正社員として就職するのも助成金の対象になっていたのが、4月以降は対象外になったんです。4月から半年間有期契約を結んで、その後、働きがよかったから昇給して正社員に転換した、という場合は通常通り助成対象になります。でも、学生が就職するって人生の大きな節目ですから、初めから正社員で雇ってくれないなら他の会社に就職したいと考えますので、助成金は使いにくくなりました。

ハローワークの方のお話しでは4月以前が学生であったかどうかは雇用保険の登録情報ではわからないようですが、後日労働局の調査が入り、従業員に聞き取りされれば容易に判明するでしょう。

申告用の労働条件通知書、出勤簿、賃金台帳を作って申告する。

助成金の申請では、労働条件通知書、出勤簿、賃金台帳を提出します。これらの実態が助成金の要件を満たさないからといって、すでに経過した分の帳票を作り変えることは不正です。もし労務に不安がある場合は、助成金に取り組む「前」に、労務環境を整えなければ。中小零細企業は労務がごちゃごちゃな会社だらけなので、急な依頼には注意したほうがいいです。

依頼を受ける前に

助成金の依頼を受けたら、まずはその会社の就業規則、労働条件通知書、出勤簿、賃金台帳を見せてもらい、労務環境をチェックする必要があることを事業主に伝えましょう。社労士として提出代行や事務代理を務めるということは、その会社の労務は法的に問題ないと自分の名前で宣言するようなものです。何か問題がおきれば社労士の身に降りかかりますので気を引き締めて取り組みたいですね。