助成金の対象になるのはどんな会社?

それは従業員がいて労務の法律を守っている会社です。もう少し細かくみていきましょう~

雇用保険に加入していること

前の記事にも書いた通り、助成金は日本全国の会社から集めた雇用保険料を元に運営されています。そのため、雇用保険加入対象の従業員が1人以上いて、雇用保険が設置されている事業所であることが大前提となります。あくまでお金を払ってくれている人を対象に助成金を支給するんですね。以下、もっと細かい条件がありますが、ざっくり記載していきます。

雇用保険の加入条件

雇用保険の加入条件は、週20時間以上の労働条件で働いていることですね。アルバイトやパートも週20時間以上働いていると加入対象になります。これは週20時間以上働いているということはその会社の収入がその方のメイン収入であり、その稼ぎを失った際には失業保険で当面の生活を支援してあげなきゃいけない、という発想に基づきます。

蛇足ですが、労災は働き方に関わらず、すべての人を加入させる必要があるので、週20時間に満たない働き方をしている従業員は労災のみ加入対象となります。

社会保険に加入していること

これは社会保険の加入対象の人は必ず加入させておかなければならない、ということです。法人の場合は従業員一人から、個人事業主の場合は従業員5人以上で加入させてる必要があります。

社会保険の加入条件

社会保険の加入条件は、その事業所のフルタイム社員の4分の3以上働いている人です。フルタイムは週40時間が大多数ですが、その場合、週30時間以上働いている人が対象となります。

また、助成金に取り組む会社は小規模な会社も多くあります。整体や歯医者などの衛生関係、飲食接客サービス業など、特例適用事業に該当すると10人未満の事業所は法定労働時間が週44時間に拡大されますので、その場合は週33時間以上働いている人が対象となります。

残業代を全額支払っていること

助成金の支給を受けるうえで必須となるのが「法令順守」です。残業代の計算に関しては独自ルールで運用している会社が多く、社長と従業員の間では話がついていたとしても、書面上法令違反となっていることがあります。以下のような事例があります。

  • 残業代を含めて基本給としてまとめて支払っている
  • 変形労働時間制にしないと残業代0円にはならないのに、変形労働時間制を導入していない
  • 労働時間の管理という概念がない…

残業代を含めて基本給として一本化して支払ってしまっている会社は多いです。従業員も払ってくれと思っているわけでもなく、社長もそれ以上払う気がないなんてこともあるんですが、書面上基本給30万円となっていれば、残業すると当然30万円にプラスして残業代を支払わなければなりません。

助成金の申請では労働条件通知書、出勤簿、給与明細をセットで提出するので、残業代が支払われていると読み取れなければ、残業代の支払い命令を受けます。そんなときは、きちんと内々の話に合うように、あらかじめ固定残業代として基本給+固定残業代で総支給30万円だよという書面に修正しておくことで、残業代の支払い命令を受けずに済みます。

このあたりも助成金を進めるうえでの一つのポイントになりますね。いずれにせよ法令順守が大前提! そういう意味でも社労士の知識が生きる仕事だと思います。