助成金業務の良いところと大変なところ

どんな仕事にもやりがいを感じる部分もあれば、苦労する部分もありますよね~。それに得手不得手やスキキライもあるわけで。今回は助成金業務をやってきた中で思う、この仕事の良いところ、大変なところについて、私個人の見解を書いてみたいと思います。

良いところ

事業主を応援できる!

やっぱりなにより、助成金を通して事業主を応援できる! というのは良い。やりがいですね。助成金は会社の福利厚生や処遇を良くする活動に対して支給されますから、その取り組みによってお金を得られることは事業主に大きなメリットですし、取り組む会社で働く従業員にとっても、給料が上がる、研修でスキルが身に着く、福利厚生が充実して働きやすくなるなどのメリットがあります。

例えば、2018年度に実施されている男性の育児休暇への助成金。日本でも男性の育休取得率は徐々に高まってきていますが、まだ3%ほど。政府は男性の育休取得を推奨していますが、働き盛りの男性社員に育休を与えるというのは、簡単ではない会社が多いでしょう。

そこで助成金活用です。社員の家族のためにも育休を取らせてあげたい、でも会社にもそんなに余裕がない……。そんな中、助成金がもらえるならやってみよう、と男性の育休制度を新設した経営者もいます。助成金を使って、会社も従業員もハッピーになるのはなによりですよね。福利厚生の充実は質の良い従業員の定着率アップにもつながります。

専門家としての知識が生きる

助成金の申請についてはマニュアルが国民に一般公開されていますから、それを読めば誰でも取り組むことができます。でも労務の知識がない人、助成金をやったことがない人が助成金を受給するのは至難の業です。それは助成金が労働関係法令の順守を大前提としているからです。そんなの大前提なので、わざわざマニュアルには書いていません!

助成金に取り組むうえでのポイント、それは助成金に実際に取り組んでみて、労働局の助成金担当者と話し、経験を積んでいく中で感覚をつかめるものです。ですから、社労士としての法律に関する知識も生きるし、社労士業務の中でも助成金を専門にやっていけば、その分野で一歩抜きんでた存在となることができます。

助成金はどの時点からでも参入できる

もちろん、数多くの経験を積むことで玄人になれるわけですが、助成金は制度の切り替わりが早いので、切り替わったところからはみんなよーいドンです。いち早く情報を収集し、取り組めれば、その助成金についてはNO.1になることができます。ですから、何年もやっている人をスッと追い抜くチャンスがいくらでもあります。

粗利が大きい

士業に通じることでもありますが、専門知識をサービスとして提供しますので、粗利は大きいです。ただし、効率に進めれば。やはり要領をつかまずにやみくもにやるのでは、手間ばかりかかって利益は減ります。多くの助成金を手掛ければそれだけ網羅性は上がりますが、ひとつひとつの助成金を研究するのにも時間がかかりますので、取り組みやすい助成金を見極めて、それを中心に手掛けたほうが効率的です。

まとめ
  • 助成金を通して事業主を応援できる
  • 専門家としての知識が生きる
  • 助成金はどの時点からでも参入できる
  • 効率的に進めれば粗利が大きい

大変なところ

助成金研究が欠かせない

助成金は頻繁に切り替わります。だからこそ、フレッシュな情報をお届けすることに価値があるのです。サービスを提供する側は、就業規則も取り扱うため、労働関係法令の改正はもちろんのこと、助成金情報には常にアンテナを張っておく必要があります。

そのため、同じ仕事をずっとやっていたい、新しいことにはあまり取り組みたくない、という人には向きません。しかもマニュアルだけ読んで終わりな人もダメ! やってみないとわからないことが本当に多いんです。好奇心旺盛でトライアンドエラーを繰り返せる人が向いていますね。

実際、マニュアルだけ読んでやらない人が多いんですよね。だからその分、これを生業とする人口が絞られるので、トライ出来る人にはねらい目です。

制度や要件が頻繁に変わるので常に最新情報をチェック

同じ助成金でも、要件が変わります。ついこないだまで問題なかったことが、あるときを境にダメになったり。要件が追加されたり。ホームページに公開されるならまだいいほうで、労働局内のマイナーなルール変更だとこちらから聞かない限り情報は入ってきません。そのマイナーな変更がダイレクトに支給・不支給の決定打になることがあるので、恐ろしいです。なので、常に「今」どうなのかを確認しなきゃならない。それが結構面倒ですね。

都道府県によってルールが違う

今、助成金は各都道府県の労働局長に支給決定の権限が委任されています。そのため、都道府県によって求めてくる書類や書類の作り方のルールが違うんです。みんな同じ書類なら同じ要領で作れるのにね。あっちこっちで求められる書類が違うので、その都道府県ではなにが必要なのか確認しなければならないんです。だから顧客の地域を限定して営業している社労士も多くいます。

スケジュール管理が大変

労務の仕事って、ある程度年間スケジュールが決まっていますよね。4月に雇用保険料率の改定、7月頃に算定基礎届、労働保険の年度更新、9月に標準報酬月額が切り替わって、12月には年末調整など。だから顧客が一律のスケジュールで動くので管理しやすいです。

しかし、助成金は、計画→実施→支給申請という流れで、各顧客がバラバラに動きます。支給申請期間は2カ月間限定で、それ以外の期間には一切受け付けられないので、絶対にこの期間に提出できるように動かなければなりません。このバラバラの申請スケジュールの管理は助成金業務ならではの大変さといえます。

まとめ
  • 助成金研究が欠かせない
  • 制度や要件が頻繁に変わるので常に最新情報をチェック
  • 都道府県によってルールが違う
  • 顧客ごとにスケジュールが異なるので管理をしっかり
以上、私の考える良いところ、大変なところでした~。