会計期間変更があった場合の生産性要件について調べてみた

日本の労働生産性の低さは話題になっていましたね。2017年12月に発表された日本の 1 人当たり労働生産性は、81,777 ドル。OECD 加盟 35 ヵ国中 21 位と残念な結果でしたね(;´・ω・)

平成30年4月から、多くの助成金で「生産性要件」に該当した場合に助成額が割増されることになりました。労働生産性要件の詳しい内容はパンフレットにまとまっているのでそちらを見てね。今回はパンフレットを見ているだけではピンとこないポイントについて書きます。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000203893.pdf

生産性要件に該当するための絶対条件

生産性要件の話、会計に詳しくない顧客には理解していただくのが大変なんです。だから該当しない顧客には話自体出したくない。まずは、生産性要件に該当するための絶対条件をお話しします。それは、支給申請日時点で税務申告を終えた直近の会計年度から見て、3年前の会計年度の初日時点で雇用保険が設置されていた事業所であることです。

まずは雇用保険設置日を確認しましょう。

生産性要件とは

生産性要件とは、決められた計算式で求める「生産性」が直近の会計年度とその3年前の会計年度を比較して、6%以上伸びている場合に、生産性要件に該当したとして助成額が割増される制度です。※金融機関から一定の事業評価を受けた場合は1%以上も対象となる。

生産性要件の計算式

生産性要件は、損益計算書をはじめとする財務諸表を元に、以下の計算式で求めます。

生産性要件の計算式

(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)
÷ 雇用保険加入者人数 ※

※雇用保険加入者人数は、会計年度の末日現在の人数を記入

雇用保険加入者人数は、会計年度の末日時点での雇用保険被保険者台帳を取得しておくと、簡単に記入できます。雇用保険被保険者台帳は所轄のハローワークで発行できます。

途中で会計期間を変更している場合

生産性要件を比較する年度間で会計期間変更があった場合の比較方法について労働局に確認しました。

生産性要件を算出する際のルール
  1. 直近の会計年度から3年以上前に開始した会計年度と比較する。
  2. 会計期間および雇用保険設置期間が12ヶ月365日を満たした会計年度と比較する。

次の会計期間の会社は生産性要件を算出できるでしょうか?
第7期の税務申告が終わった時点とします。

事例

支給申請日:平成30年10月20日 会社設立日:平成23年8月1日
雇用保険設置日:平成24年9月1日
第7期:平成29年4月1日~平成30年3月31日(12ヵ月)←直近の会計年度
第6期:平成28年4月1日~平成29年3月31日(12ヵ月)
第5期:平成27年7月1日~平成28年3月31日(9ヵ月)
第4期:平成26年7月1日~平成27年6年30日(12ヵ月)
第3期:平成25年8月1日~平成26年6月30日(11ヵ月)
第2期:平成24年8月1日~平成25年7月31日(12ヵ月)
第1期:平成23年8月1日~平成24年7月31日(12ヶ月)
()内は会計期間月数

第7期の会計期間開始日は平成29年4月1日のため、その3年以上前(平成26年4月1日以前)に開始した会計年度と比較します。第3期以前の会計年度が比較対象となるか考えます。

第3期は、会計期間が11ヵ月のため1か月足りず、比較対象外となります。
第2期は、会計期間は12ヶ月ありますが、雇用保険設置日が平成24年9月1日ですので、会計期間内の雇用保険設置期間は11カ月と1か月足りず、比較対象外となります。

結果、事例の会社は生産性要件を算出することができず、生産性要件には不該当となります。

会計期間変更が生じている場合は参考ください。