助成金の支給決定まではどれくらいかかる?

助成金の支援サービスをしていると、いつごろお金が入るのか? と顧客に聞かれることが多いです。せっかくやるならいつごろお金が入るのかは確かに気になりますよね。感覚としてわかっていると取り組むうえでの参考にもなりますので、今回はそのお話しをします。まずは助成金に取り組む際の全体の流れをみておきましょう。

助成金がもらえるまでの流れ
計画申請(就業規則の添付が必要なものと不用なものがある)

実施(就業規則への制度導入および実施)

待期期間(助成金によって考え方が異なる)

支給申請(待期期間終了後2か月間が一般的)

各都道府県労働局の審査

支給決定

例えばキャリアアップ助成金の正社員化コースについてみてみると……

キャリアアップ助成金がもらえるまでの流れ
計画申請(実施の前日までに提出)

実施(正社員に転換)

待期期間(転換日の翌日から6か月)

支給申請(待期期間終了後2か月間)

各都道府県労働局の審査(ブラックボックス)

支給決定

助成金がもらえるまでの流れ

計画申請

まずは、正社員化を実施する前にキャリアアップ計画書を提出します。提出先はハローワークもしくは各労働局の助成金センターです。都道府県によって異なるので厚生労働省のホームページで確認します。

雇用関係各種給付金申請等受付窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/madoguchi.html

実施

正社員化コースに取り組む場合、正社員への転換を実施するする前に必ずキャリアアップ計画書を提出し、就業規則に正社員転換制度を規定しておきます。キャリアアップ計画書が受理された翌日からキャリアアップ計画期間に入ることができます。つまり、翌日以降なら正社員に転換できます。

ここでいう転換とは正社員としての会社が労働条件通知書を発行すること、もしくは正社員としての雇用契約書を従業員と締結することを指します。契約社員から正社員に切り替わることで、給与計算の方法や、処遇、待遇が変わる点があれば、あらかじめ情報を整理しておきます。

また、平成30年4月から、正社員に転換する際、転換後6か月の給与が転換前6か月の給与よりも5%以上ベースアップしていることが必須となりましたので、いくら昇給するのか決めておく必要があります。5%昇給ルールについてはキャリアアップ助成金のパンフレットに詳しく書かれており、ベースアップしなくても賞与を含めて6か月間のトータルが5%アップしていればいいというルールもあるので、どのように5%アップさせるかは顧客と要相談ですね。

支給申請

転換後は6か月間の待期期間を経て支給申請となります。この際、転換前6か月、および転換後6か月分の労働条件通知書、出勤簿、賃金台帳が必要となりますので、顧客にはあらかじめ伝えておくといいですね。出勤簿はタイムカードでもOKです。また、対象社員に直筆署名、押印をもらう書類もあるので、早めに案内すると良いです。

計画から申請までの間に、会社の所在地変更や社名変更、対象者の氏名変更などがあった場合は、あらかじめ雇用保険の変更手続きを取っておかなければならないので、その点も注意してください。

審査

支給申請が終わると審査に入ります。審査にかかる期間は、都道府県や助成金の種類によって大きく変わります。早いと2か月ほど、遅いと1年以上かかるケースも。そもそも申請が混んでいると、審査が「スタート」するまでに〇か月かかると案内されることもあります。

よって、審査の手前(支給申請)までの期間は、実施日さえわかればスケジュールが見えるのですが、審査にかかる期間はなんとも言えません。労働局に聞いても、大体の目安を教えてくれることもあれば、まったくわからないと言われることもあり、こちらも顧客に詰め寄られても答えようがありません。

審査の期間中に、労働局やハローワークの助成金担当者から、追加の書類や説明を求められたりすることもありますので、そういった対応が入ると、審査には余分に時間がかかります。

ですから、顧客に「支給決定までどれくらいかかりますか?」と聞かれたら、「わかりません」が正しい答えとなります(笑)営業時に〇ヶ月後には入ります、などと伝えると、「まだ入らないのか!」なんて顧客から結構な圧をかけられることになってしまうので、参考程度に情報を渡すのはかまいませんが、明言はしないほうがいいですね。

くれぐれも助成金をアテにして資金繰りを練ることだけはしていただかないようにしてください(笑)

ひとつだけ言えるのは、基本的に、同時期に、同じ都道府県に申請した、同一の助成金は、近しい時期に支給決定される可能性が高いということです。労働局は受け付けた順に審査をスタートしていくからです。途中、追加書類の提出に時間がかかったりするとその分遅延しますが、そういったことがなければ、基本的に順番通り進んでいきます。

支給決定

支給決定がおりると、顧客のもとに「支給決定通知書」が郵送されます。そして支給申請時に「支払方法・受取人住所届」という書類で申告しておいた顧客の法人口座に助成金が振り込まれます。

申請代行手数料をもらう時期

支給決定後に申請代行手数料をいただく場合、それはこちらが顧客からお支払いたいだける時期がバラバラとなるということでもあるので、それも踏まえたうえで料金体系や回収のタイミングを考えたほうがいいですね。アテにすると苦しくなるのは社労士側も同じです。この点、どのような工夫ができるかはまたの機会に~