労働局の立ち入り調査ってどんなもの?

助成金の申請では、事業所の方や社労士がハローワークや労働局助成金センターに書類を提出するので、労働局の方から事業所に尋ねてくるということは基本的にありません。ただ、調査が全くないというわけではなく、助成金を受給すると、後日立ち入り調査が入ることがあります。

平成30年春頃、人材開発支援助成金の重点訓練コースを実施した事業所に対し、立ち入り調査がちょこちょこ入っているという情報がありました。重点訓練コースは訓練の提供方法が問題視され、平成30年4月に大幅に制度が見直されたコースです。不正受給が横行していたために調査が入りやすくなったと噂されていました。

つまり、その助成金自体の運営やその事業所の提出書類があやしい雰囲気があったりすると、調査が入りやすくなると言われています。

労働局の調査とはどんなものなのか

労働局の調査は助成金受給後3年間に入る可能性が高いです。従業員への聞き取りや書類確認がなされます。

例えば、キャリアアップ助成金の正社員化コースであれば、元々正社員となることを約束したうえで、あえて有期雇用契約を結び、半年後に正社員化したようなケースは受給対象外となります。そのため、従業員に、正社員となることを事前に約束されていませんでしたか? という確認がなされるわけです。それはパンフレットにも注意書きされていますし、あらかじめ支給申請前に従業員にその点に誤りはないと直筆署名と捺印をもらうことになっているので、ルールどおり運用していればトラブルは起きません。

ただ、もし事業主が助成金欲しさから、従業員の名前を使って勝手に申請をしていたら、バレますね。

また、助成金を機に就業規則に新たに規定した制度が、支給申請後も実施されているかが確認されることもあります。例えば評価制度を導入した際は、初年度の評価後に支給申請をしますが、その後も継続的に実施するものなので、初年度だけではないということを顧客に伝えておく必要があります。

その他、出勤簿や賃金台帳が適切に管理されているか、就業規則や助成金への取り組みにあたって社内に周知・掲示が必要な書面がいつでも従業員が確認することができる状態になっているかなどを確認されます。

調査対象はどのように決まるのか

ある労働局の話では、調査対象は助成金の種類や提出書類のあやしさで決まるとのこと。そのため、はじめに提出した出勤簿や賃金台帳を後から出勤日を訂正して差替えをしていたり、有期契約社員から正社員への転換をしたのに雇用保険加入手続き時の登録が「無期」になっていたり、研修や訓練の記録があいまいだったりすると、調査の対象になる確率が高まります。

出勤簿、賃金台帳がかなり怪しい場合は、通常、最大1年間分の出勤簿、賃金台帳を提出すればいいところを、3年間さかのぼって提出するように、と言われた会社もあるようです。

そのため、助成金に取り組む会社は労務管理をし、帳票はいつでもすぐ出せるようにしておかなければなりません。また、事業主は助成金の申請書類を5年間保管する義務がありますので、「ありません」は通用しません。当然、給与や助成金実施時の経費の支出は会計帳簿にも記録が残りますから、すべて整合性が取れるようにしておく必要があります。

というか当たり前のことなんですが(笑)従業員数名の零細企業だったりすると本当にいいかげんなので。

そのため、助成金申請の支援をする際は、立ち入り調査にも協力するのかそこはご自身で対応していただくのか、契約時に明記しておくことをおすすめします。労務まわりをすべて顧問として見ている場合はともかく、助成金の申請代行としてその部分だけ支援した場合は、立ち入り調査への対応までは難しいと考えています。